社内ネットワークでインターネット自体は正常に利用できるものの、特定のサイトだけ接続できない問題が発生した。
同じPCでも一般的なWebサイトは問題なく開けていたため、インターネット回線全体の障害とは考えにくかった。
確認を進めると、DNSを変更した場合やEdge・WhaleのIE互換モードを使用した場合に接続結果が変わることがあり、最初はDNSまたはブラウザー互換性の問題も疑った。
しかし最終的にインターネットファイアウォールの管理者へ確認したところ、問題のサイトが社内インターネットファイアウォールのブロックポリシーに含まれていることが確認できた。
今回の最終原因はPC自体や単純なDNS障害ではなく、社内インターネットファイアウォールまたはWebフィルタリングポリシーによるサイトブロックだった。
症状
確認した症状は以下のとおり。
- インターネット自体は正常
- 一般的なWebサイトは正常に表示
- 特定のサイトだけ接続できない
- 同じサイトがモバイルネットワークでは正常に開く
- 一部のサイトでHTTPSやセキュリティ関連の警告が表示
- DNSを変更すると接続結果が変わる
- EdgeまたはWhaleのIE互換モードで一部の結果が変わる
最初はDNS障害にも見えた。
しかし複数のサイトで似た症状があり、接続方法によって結果が変化したため、原因を一つずつ分けて確認した。
1. インターネット全体の障害か確認
特定のサイトが開かない場合、最初に確認するのは:
インターネット全体が使えないのか
それとも:
特定のサイトだけが使えないのか
という点。
今回は他のWebサイトには正常に接続できていた。
そのため:
インターネット回線全体の障害
よりも:
特定ドメイン
ブラウザー
DNS
セキュリティポリシー
Webフィルタリング
などを優先して疑った。
この切り分けをせずにルーターやLANアダプターを変更しても、問題と関係のない部分を触ることになる可能性がある。
2. モバイルネットワークで同じサイトを確認
次にスマートフォンから同じサイトを確認した。
社内Wi-Fiではなくモバイルデータを使用すると、サイトは正常に表示された。
単純化すると:
社内PC + 社内インターネット
→ 接続不可
スマートフォン + モバイルデータ
→ 接続可能
という状態だった。
これにより、サイトそのものが完全に停止している可能性は低くなった。
また、社内ネットワークを通過する過程で何らかの制御が行われている可能性も考えられた。
3. DNSを変更して確認
DNSの影響も確認した。
通常使用しているDNSの代わりに、テストとしてGoogle Public DNS:
8.8.8.8
を設定した。
一部では接続結果に変化が見られた。
DNSはドメイン名をIPアドレスへ変換するため、特定ドメインだけ問題がある場合に確認する価値がある。
Windowsでは:
nslookup example.com
などでDNS応答を確認できる。
ただし今回、8.8.8.8へ変更したことで結果が変わったからといって、DNSだけが最終原因だとは判断しなかった。
後からインターネットファイアウォール側のブロックポリシーが確認されたため。
DNSを変えて開いたからといってDNS障害とは限らない
DNSを変更してサイトが開くと:
元のDNSが故障している
と判断したくなる。
しかし企業ネットワークではDNS以外にも:
- インターネットファイアウォール
- Webフィルタリング
- URLフィルター
- セキュリティDNS
- プロキシ
- HTTPS検査
- アクセス制御
などが関係する。
DNS変更は有効な診断材料にはなるが、それだけで根本原因を確定するのは難しい。
4. Edge・WhaleのIE互換モードを確認
問題が発生していた一部サイトでは、通常のブラウザーモードでは接続できなくても、EdgeやWhaleのIE互換モードで結果が変わることがあった。
古い社内サイトやレガシーなWeb技術を使用しているサイトでは、最新ブラウザーとの互換性問題が発生する場合がある。
そのため:
特定サイト
+
ブラウザー互換性
も疑った。
しかしIEモードで接続状態が変わったからといって、インターネットファイアウォールが関係していないという意味ではない。
最終的には別途ファイアウォール側のブロックが確認された。
今回の:
DNS変更
IE互換モード
は原因を絞り込むための条件であり、最終的に確認された根本原因ではなかった。
5. HTTPS・セキュリティ関連の警告を確認
問題が起きていた複数のサイトで、HTTPS、証明書、またはセキュリティ関連の警告が表示される場合もあった。
複数サイトで同じような症状がある場合は:
- HTTPS検査
- Webフィルタリング
- 証明書検査
- TLSポリシー
- ファイアウォールのセキュリティルール
なども考えられる。
ただしこの段階では、HTTPS検査やTLSポリシーが直接原因だとは断定しなかった。
最終的に確認できた事実は、対象サイトがファイアウォールのブロックポリシーに含まれていたことだった。
6. インターネットファイアウォール管理者へ確認
PC、ブラウザー、DNSの挙動を確認した後、インターネットファイアウォールの管理側にも確認した。
その結果、問題が発生していたサイトがブロックポリシーに含まれていることが確認できた。
作業の流れは:
インターネット自体は正常
↓
特定サイトだけ接続不可
↓
モバイルデータでは正常
↓
DNS変更で結果変化
↓
IE互換モードでも結果変化
↓
HTTPS・セキュリティ関連症状を確認
↓
インターネットファイアウォール管理者へ確認
↓
サイトブロックポリシーを確認
となる。
最終原因
今回最終的に確認された原因は:
社内インターネットファイアウォールまたはWebフィルタリングポリシーによって対象サイトがブロックされていたこと
だった。
したがってPC側の:
- LANアダプター
- Windows
- Edge
- DNS設定
のどれか一つだけが原因だったとは言えない。
DNS変更やIEモードによって結果が変わったため原因が少し複雑に見えたが、最終的には上位ネットワークのセキュリティポリシーを確認することで原因を特定できた。
特定サイトだけ開かない場合の確認順序
1. 他のサイトが開くか確認
すべてのサイトが開かなければ、インターネット回線やネットワーク全体を先に確認する。
他のサイトは正常なら対象サイトに範囲を絞る。
2. 別のPCでも同じか確認
同じ社内ネットワークの複数PCで同じサイトだけ開けない場合、1台だけのPC問題である可能性は低くなる。
3. モバイルデータで確認
スマートフォンのWi-Fiを切り、モバイルデータで同じサイトを開く。
外部ネットワークでは正常なのに社内だけで接続できない場合、社内ネットワーク側を追加確認する。
4. DNSを確認
nslookup サイトアドレス
などでDNS応答を確認する。
必要であれば一時的に別のDNSで結果を比較する。
ただし業務ネットワークのDNSを長期間勝手に変更しないほうがよい。
5. 別のブラウザーで確認
Edge、Chrome、Whaleなどで比較する。
古いサイトであればIE互換モードも確認対象になる。
6. 実際のエラーメッセージを確認
単に:
サイトが開かない
だけではなく、表示されているエラー内容を確認する。
例えば:
- DNSエラー
- タイムアウト
- 接続拒否
- 証明書エラー
- HTTPS警告
- アクセスブロック
などで原因の方向が変わる。
7. 社内インターネットセキュリティポリシーを確認
同じネットワークの複数PCで同じサイトだけ開けず、外部ネットワークでは正常なら:
- インターネットファイアウォール
- Webフィルタリング
- URLブロック
のポリシーを確認する。
上位のファイアウォールでブロックされている場合、クライアントPC側の設定をいくら変更しても根本解決にはならない。
注意事項
DNSを恒久的に変更する前に確認
DNS変更は診断に役立つ。
ただし社内では内部サーバーや社内ドメインのために専用DNSを使っている場合がある。
テスト後は元の設定や社内ポリシーを確認する。
セキュリティ制御を無理に回避しない
サイトが会社のセキュリティポリシーでブロックされている場合は、クライアント側で回避するのではなくファイアウォール管理者に許可可否を確認するのが正しい。
誤ブロックであれば管理側でポリシーを修正する。
IEモードはファイアウォール対策ではない
IE互換モードは古いWebサイトの互換性を確保するための機能。
インターネットファイアウォールやWebフィルタリングのブロックを解除するための機能ではない。
今回もIEモードで挙動が変化したが、最終的に別のファイアウォールブロックが確認された。
HTTPS警告を無視して接続しない
証明書やHTTPS関連の警告が表示される場合は、単純に無視して接続せず原因を確認する。
社内環境ではセキュリティ装置、証明書、ブラウザー、実際のサイト証明書など複数の原因が考えられる。
作業結果
今回、インターネット自体は正常だったが特定サイトだけ接続できなかった。
DNS変更やIE互換モードで接続結果が変化したため、最初はDNSやブラウザー互換性も疑った。
しかしインターネットファイアウォール管理者へ確認した結果、対象サイトが社内インターネットファイアウォールのブロックポリシーに含まれていることが確認された。
そのため最終的にはPC側の設定を変更し続けるのではなく、上位のファイアウォール/Webフィルタリングポリシーを確認することが重要だった。
現場記録
症状: インターネットは正常だが特定サイトだけ接続不可
追加確認: モバイルデータでは同じサイトに正常接続
確認1: Google Public DNS 8.8.8.8使用時に接続結果が変化
確認2: Edge/WhaleのIE互換モードで一部サイトの挙動が変化
共通症状: 一部対象サイトでHTTPSまたはセキュリティ関連の警告
最初に疑ったこと: DNS、ブラウザー互換性、HTTPS検査、Webセキュリティポリシー
最終確認: インターネットファイアウォール管理者が対象サイトのブロックポリシーを確認
最終原因: 社内インターネットファイアウォールまたはWebフィルタリングによるサイトブロック
注意: DNS変更やIE互換モードで接続できたという理由だけで、それを根本的な解決方法と判断しない
推奨: 複数PCで同じ特定サイトだけ接続できず外部ネットワークでは正常なら、PC側を何度も変更する前に社内ファイアウォールやWebフィルタリングポリシーを確認